Googleの軽量モデル「Flash」の更新が続いています。8月14日にGemini 3.7 Flashが「年内はAPI半額」という特価つきで発表されたばかりなのに、2026年9月3日には早くも次のGemini 3.8 Flashが発表されました。3週間での交代です。「また変わったのか。自分はどれを使えばいいのか」と感じている方は多いはずです。
この記事では、個人がGeminiをアプリまたはAPIで使う場合に限って、今回の発表で何が変わり、何をすればいいのかを整理します。企業向け製品の詳細には踏み込みません。結論を先に言うと、アプリで使っている人は何もしなくてよく、これからAPIで自動化を作る人は3.8 Flashを選び、すでに3.7 Flashで動いている仕組みは急いで移行する必要はありません。その根拠を公式発表の記載から順番に確認していきます。
何が発表されたのか
Googleは2026年9月3日、Gemini 3.8 FlashとGemini 3.8 Flash Cyberの2つを発表しました。3.8 Flashは、速さと料金の安さを重視した「Flash」系統の最新版で、エージェント的な作業(AIに一連の作業を任せること)やコーディングの能力を引き上げたと説明されています。
もう1つのGemini 3.8 Flash Cyberは、セキュリティの脆弱性発見に特化した別モデルです。ただし公式発表によると、提供先は信頼できる政府機関・重要インフラ事業者・ソフトウェアメンテナー向けで、「Fairwind Program」という枠組みを通じた提供に限られます。一般の個人がアプリやAPIから使うものではないので、この記事では以後扱いません。
注目すべきはペースです。Gemini 3.7 Flashの発表は2026年8月14日で、そのわずか3週間後に3.8が出ました。3.7自体も前モデルの3.6から3週間での更新でした。つまりFlash系統は、いま3週間ごとに世代交代しています。「最新を追いかけ続ける」使い方は現実的ではなくなってきており、だからこそ後述する「自分のケースではどうするか」の基準を持っておくことが大切になります。
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今回の発表のうち、個人に関係があるのは3.8 Flash本体だけです。Cyberは提供先が限定されたモデルです。
料金は変わったのか
APIの料金から確認します。Gemini 3.8 FlashのAPI価格は、100万トークンあたり入力0.75ドル・出力3.75ドルです。公式発表はこれを「3.7 Flashと同じ初期提供価格」と説明しています。つまり、新しいモデルになっても支払う金額は変わりません。
ここで思い出したいのが、3.7 Flashの特価の期限です。3.7 Flashの0.75ドル/3.75ドルという価格は「2026年12月31日まで」の特別価格で、2027年1月1日以降は入力1.50ドル・出力7.50ドルに戻ると発表されていました。一方、今回の3.8 Flashの「初期提供価格」には、いつまでという期限が公式発表に書かれていません。整理すると次のようになります。
| モデル | API入力(100万トークン) | API出力(100万トークン) | 条件 |
|---|---|---|---|
| Gemini 3.8 Flash | 0.75ドル | 3.75ドル | 初期提供価格(期限の記載なし) |
| Gemini 3.7 Flash(年内) | 0.75ドル | 3.75ドル | 2026年12月31日までの特別価格 |
| Gemini 3.7 Flash(来年以降) | 1.50ドル | 7.50ドル | 2027年1月1日以降の通常価格 |
価格はいずれも米ドル。Gemini 3.8 Flashは2026年9月14日に公式発表ページで、Gemini 3.7 Flashは2026年8月17日時点の公式発表で確認した値です。
この表から読み取れることは1つです。3.7の値上げは2027年1月1日と期日が確定しているのに対し、3.8の初期価格には現時点で期限が示されていません。3.7を特価のつもりで使い続けると2027年1月に入力・出力とも料金が2倍になるため、どこかのタイミングで3.8側に移る前提で考えておくのが安全です。
どこで使えるのか
開発者向けには、Google AI Studio・Google Antigravity・Android Studio・Stitch・Gemini Enterpriseで提供が始まっています。APIで試すだけならGoogle AI Studioが入口です。
一般ユーザー向けには、Geminiアプリ・Google検索のAIモード・GoogleスプレッドシートのGemini機能で使えます。ただし注意点があります。公式発表はこれらの提供対象を「Google AI ProおよびUltraの登録ユーザー」と明記しています。無料プランでの3.8 Flashの提供については、発表に記載がありません。また、日本での提供時期・地域についての明記もないため、自分のアプリで使えるようになっているかは、アプリのモデル選択画面で確認するのが確実です。
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アプリで3.8 Flashを使えると明記されているのはPro・Ultra登録ユーザーです。無料プランへの提供は発表に書かれていません。
3.7から乗り換えるべきか
自分がどのケースに当てはまるかで、やることが決まります。

まず、Geminiアプリで使っている人は何もする必要がありません。Pro・Ultraユーザーであれば提供が始まっており、モデルの切り替えはアプリ側の話です。無料プランの人は、そもそも今回の提供対象に含まれると発表されていないので、使い方は今までどおりで変わりません。
次に、これからAPIで自動化や小さなツールを作る人は、3.8 Flashを選んでください。価格が3.7と同じで、性能は新しい世代です。あえて古い方を選ぶ理由がありません。
最後に、すでに3.7 FlashのAPIで仕組みを動かしている人です。ここは急ぐ必要はありません。公式発表には、3.7 Flashを「効率重視のワークロード向けに引き続きフルサポートされている」モデルとして使い続けられると明記されています。動いている自動化を発表のたびに移行するのは、手間のわりに得るものが少ない作業です。実際、当サイトも毎朝1本の記事をAPI経由の自動実行で生成していますが、モデルの発表のたびに移行はせず、料金の切り替わりのような「締切」に合わせて計画的に見直しています。3.7利用者の締切は、特価が終わる2026年12月31日です。年内のどこかで、自分の仕組みを3.8 Flashに切り替えても同じように動くかを一度試しておけば十分です。
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判断の分かれ目は「アプリか、APIか」です。アプリの人は何もしなくてかまいません。
結論
Gemini 3.8 Flashは、料金を3.7 Flashの初期価格のまま据え置いて性能を引き上げた更新です。これからAPIで自動化を作るなら3.8 Flash、すでに3.7 Flashで動いている仕組みは年内はそのままで問題ありません(2026年9月14日、Google公式発表ページで確認)。ただし3.7の特別価格は2026年12月31日で終わり、2027年1月1日から入力1.50ドル・出力7.50ドルに上がります。次にやることとして、自分の利用形態がアプリかAPIかを確かめ、APIで3.7を使っている場合は年内に一度、3.8 Flashへの切り替えテストを済ませておきましょう。
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