Sakana Chatが大幅更新|Fugu Maxとメモリー機能で何が変わるか

この記事は約6分で読めます。

「この質問はChatGPTがいいのか、それともGeminiか、Claudeか」——生成AIが増えるほど、聞く前の「どれに聞くか」で手が止まる時間が増えていませんか。2026年9月17日、日本のAI企業Sakana AIが、チャットサービス「Sakana Chat」の大型アップデートを公式発表しました。柱は2つ。質問の内容に応じてAI側が最適なモデルへ処理を割り振る「Fugu Max」が全ユーザーに提供開始されたことと、会話をまたいで好みを覚える「メモリー機能」の追加です。

この記事では、何が発表されたのか、オーケストレーターとは何か、既存のChatGPTやGeminiとどう使い分ければいいのかを、公式発表にもとづいて整理します。結論を先に言うと、「どのAIに聞くか」を考えること自体をやめたい人は、追加設定なしで今日から試せる状態です。誰に向いていて、誰は今のままでいいのかまで、順番に確認していきます。

何が発表されたのか(2026年9月17日・Sakana AI公式)

Sakana AIは2026年9月17日、公式サイトでSakana Chatのアップデートを発表しました(2026年9月23日に公式発表を確認)。ポイントは3つです。

  • オーケストレーターモデル「Fugu Max」が全ユーザーに提供開始。追加の設定は不要
  • 会話内容を引き継ぐ「メモリー機能」が新たに追加
  • 利用場所はブラウザの chat.sakana.ai。コード実行や画像・ドキュメントの添付にも対応

Sakana Chatは、Sakana AIが自社モデルをAPIなしで使えるようにしたチャットサービスです。今年3月に基本モデル「Namazu」のα版として始まり、8月に「Fugu」が追加され、今回そのFuguが後継の「Fugu Max」に置き換わりました。日本の会社が作る日本発のチャットAIが、機能面でも「覚える・任せる」という定番機能をそろえてきた、という位置づけの発表です。

塾長のポイント

今回の主役は新モデルの賢さではなく、「モデルを選ぶ仕事」をAI側が引き受けたことです。

オーケストレーターとは|「どのAIに聞くか」をAIが決める

Fugu Maxは、1つの巨大なモデルではありません。公式発表によると、複数のオープンモデルを統合し、プロンプトの内容に応じて最適なモデルに処理を割り振る「オーケストレーターモデル」です。Sakana AIはこの方式について「単一のモデルに頼らずフロンティアモデルに匹敵する性能を実現」していると説明しています。

たとえるなら、病院の総合受付です。患者(質問)が来たら、症状を見て内科・外科・皮膚科(各モデル)に振り分ける。利用者は「どの科に行くべきか」を自分で判断しなくてよくなります。これまでの生成AIは、この振り分けを利用者が毎回やっていました。翻訳ならこれ、長文の要約ならこれ、コードならこれ——と使い分けている人ほど、切り替えの手間を払い続けています。

当サイトは毎朝1本の記事をAIが自動で執筆・投稿する仕組みで運営していますが、その運用で日々実感するのは、質問の種類によって向くモデルがはっきり違うことです。だからこそ「振り分けを機械にやらせる」という方向性は、作業効率の面で理にかなっています。振り分けの精度が実用に足りるかは使う人の用途次第なので、まず普段の質問をそのまま投げて確かめるのが早道です。

メモリー機能で何が変わるか

もう1つの柱がメモリー機能です。公式発表によると、利用者が一度伝えた「役割や文体の好み」などの情報を、次回以降の会話に引き継ぎます。毎回の会話の冒頭で「あなたはマーケティングの専門家です」「文体はです・ます調で」と同じ前置きをコピペしている人は、その前置きが不要になっていきます。

仕様として押さえておくべき点は3つです。

  • メモリーはNamazu・Fugu Maxの両モデルで利用できる
  • 覚えた内容は設定画面から確認でき、機能ごとオフにもできる
  • 対象になるのはアップデート以降の会話だけで、過去の会話はさかのぼって記憶されない

「これまでの会話も覚えてくれるはず」と期待して使い始めると、最初は何も引き継がれていないように見えます。仕様どおりの動きなので、使い始めの数回で好みや役割を伝え直すところからがスタートです。

塾長のポイント

記憶されるのはアップデート後の会話だけなので、最初に好みを伝え直すのが使いこなしの第一歩です。

ChatGPT・Geminiとどう使い分けるか

「全部Sakana Chatに乗り換えるべきか」と考える必要はありません。分かれ目は、いま自分がAIを「機能」で選んでいるか、「どれでもいいから答えがほしい」で使っているかです。

調べ物・文章の下書き・要約・アイデア出しのような、どのAIでもできる作業が中心で、そのたびに「どれに聞くか」で迷っているなら、振り分けごと任せられるSakana Chatを試す価値があります。逆に、ChatGPTの画像生成やGeminiのGoogleサービス連携のように、特定の機能や連携が目的でそのAIを開いているなら、その用途はそのまま続けるのが合理的です。オーケストレーターが肩代わりするのは「モデル選び」であって、各サービス固有の機能ではないからです。

Sakana Chatが向く人の分岐図(どのAIに聞くか迷う人はFugu Maxを試す・特定の機能や連携が目的の人は今の使い分けを継続)

もう1つの観点は、日本語での気軽さです。Sakana Chatは日本企業が日本語で案内している国産サービスなので、規約やお知らせを日本語の一次情報で追えます。海外サービスの英語の告知を追いかけるのが負担な人には、この点も選ぶ理由になります。

始め方と注意点

試すまでの手順はシンプルです。

  1. chat.sakana.ai をブラウザで開く: Fugu Maxは全ユーザーに提供済みで、追加の設定は要りません。
  2. 普段の質問をそのまま1つ投げる: 新しい使い方を考える必要はありません。いつもChatGPTやGeminiに聞いていることを、同じ文面で投げて答えを見比べます。
  3. メモリーの設定を確認する: 設定画面で、記憶された内容の確認とオン・オフの切り替えができます。仕事の機密情報を扱う人は、何が記憶されるのかを最初に確認しておくと安心です。

注意点は2つあります。1つ目は、料金や利用回数の上限について、今回の公式発表には記載がないことです。無料でどこまで使えるかを前提に計画を立てたい人は、公式サイトで最新の条件をご確認ください。2つ目は、メモリー機能は便利さと引き換えに「何を覚えさせるか」の管理が必要になることです。オフにできる設計なので、用途によっては切って使う判断もあります。

塾長のポイント

試し方は「いつもの質問を同じ文面で投げて見比べる」が最短です。

結論

Sakana Chatは2026年9月17日のアップデートで、質問に応じてモデルを自動で振り分けるFugu Maxが全ユーザーに開放され、会話をまたいで好みを覚えるメモリー機能が加わりました(2026年9月23日・公式発表を確認)。「どのAIに聞くか」で毎回手が止まっている人なら、chat.sakana.aiを開いて、いつもの質問を1つ投げてみるのが今日できる次の一歩です。特定の機能や連携が目的でChatGPTやGeminiを使っている人は、乗り換えではなく併用の候補として頭に置いておけば十分です。

あわせて読みたい

※本記事の情報は執筆時点のものです。最新情報は公式サイトをご確認ください。

タイトルとURLをコピーしました